正規ディーラー店での新車購入とは異なり、中古トラックを購入してから実際に納車されるまでにある程度の時間がかかってきます。
一般車とは異なり、トラックは業務用車両という扱いになります。
そのため購入から納車までの流れを知っているのといないのとでは、仕事の段取りにも大きな影響が出てきます。
なので、まずは中古トラック納品の流れについてみていきましょう!
購入から納車の流れ
自動車・バイクを所有して公道を走行するためには、ナンバープレートの取得・取り付けが義務付けられています。
そのために車両の所有者を明確にするための手続きが必要です。
-
実印
不動産登記や自動車を購入する際、必要となってくるのが各地方自治体の役所で、印鑑登録を行っている印鑑です。
実印登録する際には自分の好きな字体などを用いたオリジナルの印鑑を作るのが一般的ですが、ゴム印・シャチハタのように変形の恐れがあるものでなければ、市販の印鑑でも登録は可能です。
印鑑登録には日数がかかりますので、契約を取り結ぶより事前に用意しておきましょう。 -
印鑑証明書
実印を役所で登録した後、その印鑑が間違いなく登録された実印であることを証明する書類が「印鑑証明書」です。
これは購入した車の登録にも必要ですので、お急ぎで納車を希望される場合はできるだけ早めに取得していることが望ましいです。
自動車を所有するためには、保管・管理するための場所が確保されていることを証明する必要があります。
それを公的に証明するための書類が「車庫証明書」です。
購入契約を取り結ばれたら、次はこの車庫証明書を用意しましょう。
用意していくためにまずは購入したトラックを保管しておく地域を管轄する警察署に行き、申請用の書類を受け取ってください。
車庫証明書の申請用紙には、記入見本が添付されています。
なので、それを参考に記入すれば作成可能です。
車名とトラックの形番と車体番号を記入する欄がありますので、その欄を埋めて申請書を提出すれば申請完了となります。
車名欄には車種名(モデル名)ではなく、その車のメーカー名を記入してください。
自認書に住所記入・捺印すれば、書類作成は完了です。
管理会社または土地の所有者の方に車の保管地として契約していることを証明してもらう必要があります。
このため、「保管場所使用承諾証明書」に必要事項を記入し、管理会社または所有者に署名押印してもらいましょう。
受け取り
車庫証明の申請書が用意できれば、次は警察署に申請費用と書類を提出し、車庫確認を受けることになります。
この期間は地域によって変わりますが、大体3日程度と見ておけば問題ないでしょう。
トラックに限らず、自動車のナンバープレート取得には必ず車庫証明書の取得が必要となりますので、 車庫証明書の取得期間だけはしっかりと把握し忘れずに取得しましょう。
申請書類提出時に証明書の発行日を告知してくれることがほとんどですので、忘れずに確認しておきましょう。
発行日には印鑑と五百円程度の標章代金(通称・車庫シール)が必要となりますので、忘れずに携行しましょう。
車庫証明書の取得ができれば、再び車庫証明書と車庫シールを携行して販売店へ再訪してください。
ナンバープレートの取得と車検のため、車庫証明書と車庫シールの二つは必ず持参ください。
これらがなければ販売店としても手続きが進められません、忘れずにしましょう。
この先の流れはトラックの状態により、納車までの期間が大きく異なります。
購入車両の条件と照らし合わせてご確認ください。
-
購入するトラックに車検が残っていた
購入するトラックに車検が残っていた場合、納車までの期間はかなり短くなります。
車庫証明の取得と合わせ、1週間以内での納車も可能です。
ただし、納車前整備を省くことは、安全性の関係上おすすめできません。
なので少しでも早く納車を希望する場合は、購入契約の締結時に整備を依頼しておくとよいでしょう。 -
購入するトラックが廃車済みまたは車検がない
購入するトラックに車検が残っていない場合、車検を通すための日数が必要となってきます。
車検を通すためには、一定以上の安全性を証明する必要がありますので、
ブレーキやウインカーなどの機器点検などを含めておおよそ2~3日前後を要します。
ユーザー車検などとは異なり、運輸局の規定にのっとった必要事項ですので、ここを省くことはできません。
こちらの場合は、購入契約締結時から10日ほどと考えておけば問題ありません。
最後に
ここまでが一般的な中古トラックの購入から納車までに必要となる、ご自身で行う準備内容です。
中古トラックも自動車である以上、法的な規定に従ってナンバープレートの取得・車検といった必要事項があります。
オーナー自身の手で簡単に整備できるような乗り物ではなく、また、業務用車両であるトラックは事故を起こした際に不備があれば、所有者責任を追及される恐れが十分に存在します。
車両状態を確認し、納車までに要する整備期間を相談しながら商談を行うことで、おおよその納車予定日をすり合わせることが可能です。
中古自動車・中古トラックは、それぞれ状態が異なる「生きる乗り物」です。
販売店としっかり相談し、事前準備を段取りよく進めることが、納車までの日数を短縮するポイントと言えるでしょう。
どうしても急ぎで欲しい!という場合、
以下のトピックスを合わせてお読みください。
急ぎの際、
有効な購入方法
事前によくお読みください
商用利用を目的とした自動車の場合、安全性には十分に配慮する必要があります。
できる限り納車整備を受けておいた方が、後々のためにも安心なのは間違いありません。
しかし、予定外の業務量増加やお取引の関係上、どうしても早急に中古トラックを用意する必要が…という場合もあるかと思います。
そうした場合は、後からしっかりとした整備を受けることを念頭においた上で、以下のような納車方法が可能かを相談してみることをおすすめいたします。
これらの方法が、車庫証明書の申請・交付などがスムーズにできるのであれば、一般的な納車期間と比較してかなりの短期間で納車が可能になります。
現状渡し(整備なし)で受け渡しが可能な
トラックを購入する
販売から比較的近い期間内に中古車として販売を始めたトラックの場合、試乗などの利便性を含めた上で「現状販売車両」という扱いで展示販売されていることがあります。
この状態の車両であれば、ナンバープレートはもちろん、車検も残った状態となっています。
本当に急ぎで欲しいという方は、納車整備がない現状渡し車両を選択肢に入れておくと良いでしょう。
できる限り早い段階でしっかりとした整備を受ける必要はありますが、現状渡し車両であれば、軽トラックの場合で最短即日、一般的なトラックでも3営業日程度での納車が可能となります。
現状渡しのトラックを陸送受け渡しで
購入する
車両コンディションが良く、そのまま実走可能な状態であっても、販売されている中古トラック本体が他県の別営業所などにある場合、どうしても納車期間が長めに取られがちです。
この場合は別途費用が必要となりますが、「陸送受け渡し」という形で納車してもらうことができます。
ナンバープレートの取得などが気になりますが、業界団体である「日本中古自動車販売協会連合会」(中販連)などに加盟している中古車販売店であれば、陸運局に車両を持ち込まなくてもナンバープレートの取得が可能です。
遠方の方は事前相談の上で検討すると良いかもしれません。
陸送する距離にもよりますが、この場合は3日~1週間以内が納車の目安となります。
名義変更渡しが可能なトラックを購入
上記の2ケースよりも条件が限られてきますが、ナンバープレート・車検が残った状態で実走可能な販売車両があります。
こういった車両を購入することにより、平日であれば軽トラックの場合は最短で即日納車が可能です。
一般的なトラックでも3営業日前後もあれば納車可能となってきますので、非常に有効な選択肢と言っても過言ではありません。
こちらも名義変更手続き・各種保険手続きなどを要しますので、販売店と事前によく話し合った上で選択肢に入れておくと良いでしょう。
上記3つの購入方法を視野に入れていれば、早い段階で、業務での使用が可能になります。
しかし、どんなご事情があっても車庫証明書の申請手続きなどについては省略できない手続きとなります。
お急ぎの際は、名義変更・車庫証明の申請に関わる事項は必ず手続きの手順を確認し、販売店とよく相談の上で契約を進めましょう。
特に陸送業者によって陸送費用・配送期間は大きく異なりますので、お急ぎの場合はなおさら、事情をしっかりと販売スタッフに説明した上で購入することが大切です。
また、実際に業務に使用する前には最低限の安全性を確保する意味で、GSなどで空気圧チェック・オイル交換などの軽整備をすることをおすすめいたします。